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概要

ワークルールの掟 vol2

??ワークルールは経済や社会構造とどのような相関関係がありますか?ワークルールの歴史を見ても、一八八〇年代の産業革命期から戦中、戦後、高度経済成長期、リーマンショックなど、ワークルールは経済や社会情勢に合わせて大きく変わってきました。国によって産業も置かれている国際状況も異なりますが、日本の場合、特に大きな転換点となったのは一九四六年と一九八〇年代半ばです。??終戦後と私たちが生まれる少し前ですね。戦後の大きな転換点とは、会社と労働者の間に派遣会社のような第三者が介入することが禁止されたことです。一九四六年に職業安定法が制定され、国による職業紹介が理想とされました。しかし、戦後は時代の変化に合わせて、働き方の多様化(正社員以外の働き方)へのニーズが高まり、国による無料の職業紹介も全て国だけで行うことは難しくなりました。一九八〇年代半ばから、ワークルールは再び大きな転換点を迎えることになります。約一三〇年の歴史に学ぶルールの突然変異産業革命により農業社会から工業社会へ。戦争を前提とし、国の競争力を維持するために女性や年少者を保護した。1880's戦後、疎開工場の閉鎖や中小企業の倒産により失業者が増加。労災保険や職業安定法など失業対策が重要視される。1940's日米の貿易摩擦解消のため労働時間の短縮や週休二日制を実施。豊かさゆえに紛争は少ないが、紛争の形態は労働組合中心の集団紛争が一般的。高度経済成長期バブル崩壊。賃上げ等を求めるデモが勃発。労働者個人による個別紛争も激増。ルールが重視される時代へ。1990'sリーマンショック。「派遣切り」が社会問題化し、不安定雇用や低賃金といった派遣問題が広く認識される。2008簡略版ワークルール史※つまり必読!静岡大学人文社会科学部法学科准教授本庄淳志先生澤村取材・文/澤村優妃(静岡大学)下がり意!6