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概要

ワークルールの掟 vol2

ワークルールは社会の縮図。常に変わりゆくルールを読み解くヒントは歴史にあった!編集部のひとことワークルールは社会の縮図。格差が生じます。現在は約四割が非正規労働者として働いていますが、非正規労働者は企業の自主性に任せていても保護は期待できず、労働組合への加入もハードルが高いです。二〇〇八年のリーマンショック以降、ワークルー同時に非正規雇用も増え、正社員と非正規労働者の間で働き方の違いによる??転換点とは?当時は女性の社会進出はもちろん、国策としても政府はさらなる労働力を求めていました。民間と共に女性と企業のマッチングを図ろうと、男女雇用機会均等法や労働者派遣法が制定されました。それまで国家のみに限定され、民間において禁止されていた職業紹介のほか、派遣のような働き方が一転して認められたわけです。ただ、働く総人口は増えたものの、よね。自らのキャリアの継続性や専門性も問われていくことになります。従来の長期育成システムがあったからこそ、教育界は労働の世界と無関係にアカデミズムに走ることができました。現在、大学に実用性のあるスキル、教育が求められる理由でもあります。??正社員にはなりたいけど、大学のアカデミズムは残ってほしいです。自分の存在意義は自分で示せということですね。働き方の多様性に対応していくために、重要なのは硬直的な規制の柔軟化です。例えば一日の労働時間は八時間までという規制は、現代において適切なものでしょうか。一部の職種において労働時間の規制を緩和するホワイトカラー・エグゼンプションが議論され、反対の声も聞きますが、この制度が適用されるのは社会において交渉力のある人間です。労働時間ではなく仕事の成果に応じて報酬を決める「成果型」ホワイトカラー・エグゼンプションの導入議論など、働き方の多様性に合わせ、ワークルールも複雑化。2015ルはより重要視されるようになりました。??確かに。それは今の大学生の根強い正社員志向にも影響しています。そういう意味では現在も転換期と言えます。正社員になり、一つの会社で長く働くことは理想かもしれませんが、時代の流れや、個人の結婚や出産といった人生の節目において、働き方は多様化しています。「賃金が少なくても良いから短時間で働きたい」という人もいれば、「長時間でも構わないから稼ぎたい」という人もいますよね。さらに、今後は従来の日本型雇用システムでいう新卒定期採用の枠は狭まると思います。社員に対する長期育成システムを維持できる企業が減少しているのです。とはいえ、正社員がなくなるわけではありません。従来の汎用的な能力が求められる正社員枠は狭くなり、程度の差はあれ、即戦力として期待される枠として別に採用する企業が増えていくでしょう。ある一面では学生にも即戦力が期待されるのです。しかしこうした仕事は必ずしも新卒である必要はありませんが合っている職業や役職にとって、規制によってそれが叶わないのは柔軟性に少し欠ける気がします。ワークルールは産業革命から現在までの、ここ一三〇年くらいの話です。本当に守らなければならないことは何かを見直していくことが必要です。きちんと学び、自分なりの根拠を持ったうえで、働き方を選択する。働く個人にも同じことが求められています。静岡時代・!!(※)ホワイトカラー・エグゼンプション……ホワイトカラー労働者に対する労働法上の規制(日本の場合、労働時間に関する規制)を緩和・適用免除をする制度。経済が右肩の時は要注7