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概要

ワークルールの掟 vol1

13 S h i z u o k a J i d a i会社と労働者の「心の差」約7万の差額に気付くかどうか「毎日、就活について話し合う」という親子。社会の先輩でもある親との会話は、不安を和らげてくれます。「お母さんの会社はどう?」情報戦を勝ち抜く一歩その2内定者向けの講座【愛知みずほ大学】昨年度のワークルール講座は静岡県のほか全国の13の大学で開催されました。愛知県にある愛知みずほ大学では、内定者を対象に講座が行われ、約20名の学生が参加しました。講座の冒頭は○×クイズから。「愛知労働局の調査によると、労働法違反のあった県内の事業所は50%以下であった」などの質問を5問出題。講師の鯉渕ヒロミさんが「センスがいい」と仰るほどの正答率でした。ちなみに先の質問の正解は×。平成25年度の調査によると、労働法違反のあった事業所は7割に上ります(静岡県は6割)。また講座全体のポイントは、権利だけでなく、義務も学べるところです。労働契約により、会社と労働者の間には互いに義務が生じます。主に会社は賃金の支払い、労働者は労務の提供です。例えば、給料を22万円で労働契約を結んだとします。手取り額は19万円です。では、19万円相当の働きをすればいいかというと違います。会社も労働者の社会保険料を負担していますから、26万円の金額を負担していることになります。会社は、この差額分の働きも期待していて、同時に働いてもらわないと元手がとれません。この差が会社と労働者の心の差と言われます。受講した加藤大幸さんは、「会社がどういう方向で仕事をしているか、再確認していきたい」と言います。会社とコミュニケーションをとって働いていく姿勢が重要なんですね。講座では、「お母さんの会社ではどう?私のバイト先では……」と、自分たちに置き換えて、受講されている方々が多くみられました。講座に参加した親御さんは、「社会人の頃、困った時に誰に相談したらいいのか分からなかった」「就業規則は貰ったかどうかうろ覚え。貰っていてもちゃんと読んだ事はなかった」など当時を振り返ります。一方、相談できる専門機関があることや働くうえでの基本的な知識を、我が子が社会に出る前に学べたことに安心もできたそうです。情報社会となった今、就活も情報戦です。より多くの情報を集めるには、学生一人では限界があります。就活だけでなく、社会人になった後、何に気をつけたらよいのか。より鮮明にイメージして行動するために、親をはじめ周囲との会話は必須です。内定者向けの講座は今回が初めてです。愛知みずほ大学は、大学も短大も法律に関する授業がありません。これから社会人になる学生にとっても身近ですし、最低限知っておく必要のある知識であることから、開催を決めました。今はどこの大学でも「生きる力」として社会人基礎学力や学習力を重要視しています。いかに自分が生きていくかには、働くこと全てが関わってきますから、それらを知ることは大切です。今後は、労働組合のない会社への就職が多くなるでしょう。だからこそ、自分で知識をつけていくことが大切です。学生には自分の働く環境を真剣に見つめてほしいと思いますね。中島和成さん身近な相談相手愛知みずほ大学キャリア指導室子で就活について話し合ったりするきっかけとして効果大なものでした。