就活中、アルバイトをしている時、働いてからのトラブルなど、実際にあった相談事例を紹介します。

よくある質問

まもなく大学卒業予定ですが、内定通知を受け、誓約書も提出していた会社より、業績悪化を理由に内定取消の連絡がありました。他の内定先はすでに辞退しているので困っています。

内定通知を受け誓約書も出しているということですから、労働契約は成立していると判断されます。取消を行うには「社会通念上相当の理由」が必要となります。業績悪化という理由でもその正当性が法的にみて妥当か厳密に判断されます。理由をしっかり確認した上で、まず大学・ハローワークなどに相談し、今後の対応方法をよく考えてみましょう。ケースによっては、気持ちを切り替え、前向きに考えていくことも大切です。

複数社から内定をもらっています。一部企業から「内定応諾書」の提出を求められているのですが、書類提出後に内定辞退することは問題ないでしょうか?

内定は、「来年4 月から働きます」または、「来年4月から契約ルールに従います」という約束(労働契約)です。契約が成立すれば、権利を主張できるとともに義務も負います。しかし、期間の定めのない契約の場合、基本的には「2週間の予告期間を置けば自由に解約」できます(民法627条1項)。よって、内定段階の労働契約も、道理は同じです。著しく信義則に反するやり方をして、相手の会社に迷惑を及ぼすと、損害賠償を請求される余地も残りますが、社会常識にのっとり、真摯に説明をすれば、相手の会社も納得してくれるはずです。したがって、辞退は可能ですが、契約当事者として「誠実な」対応が求められるということです。

応募の際に求人票で見た労働条件と、採用後の労働条件が違うのですが…?

求人票はあくまでも募集のための内容であり、全てがそのまま労働契約の内容にならないケースもあります。労働契約は口頭でも成立しますが、労働条件の内容については、労働基準法で賃金や就業時間など一定の条件を「労働条件通知書」として書面で交付するよう使用者に義務付けています。トラブルを未然に防ぐためにも、採用時に労働条件について文書でもらえるか自分で確認することも必要です。

残業手当が「固定残業代」として職務手当として支給になっています。最近は残業が多く、休日、深夜に及ぶ日もありますが、手当として固定額で支給する形は問題ないのでしょうか?

「固定残業代」とは、その名称にかかわらず、一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金のことです。固定残業代が支給される場合は根拠が明確になっていなければならず、実際の残業時間で計算した残業代が職務手当を上回る場合には、その不足分を会社は支払わなければなりません。近年、固定残業代をめぐるトラブルが見受けられるため、固定残業代を支払う制度がある場合は、「固定残業代を除いた基本給の額」「固定残業代に関する労働時間数と金額の計算方法」「固定残業時間を超過した分に対して割増賃金を追加で支払う旨」をしっかり確認するようにしましょう。

上司との折り合いが悪く、朝礼でみんなの前で罵倒されたり、度々呼び出されて業務上関係のない仕事まで押し付けられるなど、様々ないやがらせを受けています。どうしたら良いのでしょうか?

会社は労働者に対し、「職場環境配慮義務」があり、いやがらせを回避し、防止しなければなりません。
会社の相談窓口や責任ある立場の方に相談してみましょう。
また相手に対し、勇気を出して「やめてほしい」というはっきりした意思表示をすることも必要です。
解決が難しい場合は、労働相談機関などに相談してみましょう。その際、証拠として、いやがらせを受けた日時・内容などを記録していたかどうかも大事になります。